趣の底より空の人へ

飽き性の人が色々手を出した結果を書くところ

映画「GATTACA」近く感じるからこそ怖い未来世界

私は平日移動時間で1日3時間くらいはあります。いつもいつもその時間何かに使えないだろうかと思っていましたが、折角なので映画を観てみることにしたんです。

それで今回見たのがGATTACAという作品です

 

ガタカ (字幕版)

ガタカ (字幕版)

 

 見たことの無い方向けにざっと紹介すると、生物学というか遺伝子学というかその辺がかなり発達した未来が舞台です。見る限り体外受精が基本で、いくつかの子供候補から気に入った子を選び、出産する。そのため、誰も彼もが薄毛や近眼などから解放されるはず。しかし中にはそういった手順を踏まずに生まれた子もおり、不適正者として法の元表向きは平等公平としながら差別される。という世界でした。

この手の作品で主人公の立ち位置といえば、当然不適正者なわけです。

主人公は生まれた直後に推定年齢30.2歳、心臓に爆弾を抱えることになると宣告されてしまいます。

母親も名前を継がせようとアントンと名付けようとするも、父親が止め、ヴィンセント・アントンに決定。後に適正者として生まれた弟にアントンの名前が継がれます。

体も弱く、弟と競うと負けばかり。宇宙飛行士の夢を持つも適正者でないからと弾かれてしまいます。

そんなコンプレックスを抱えたヴィンセントが一人の闇医者(?)の存在を知り、ある適正者と契約を交わし成り代わることで再度宇宙飛行士の夢を叶えようとする話です。

以下ネタバレもあるので注意

 

 

 

主人公、格好良かったです。

髪の毛一本で正体がバレてしまう科学力を前に、人前では決して表情を崩さず、やり過ごしていく様は格好よかったですね。

ジェロームに成り代わる際に最後の最後で身長が足りなかったのか整形していましたが、あれはイリザロフ法と呼ばれる整形法だと思います。骨をおり、肉と皮をむりやり引き伸ばして骨の治癒力で再びくっつけて身長を伸ばす方法だったかな。想像を絶する痛みだとは聞いたことあります。

指六本のピアノ奏者の存在は、可能な限り異常や不純を取り除いた適正者では決してできないこと、ハンデをどう見るかでしょうか。

主人公も主人公で劣っているとされる不適正者でありながらエリート集団で前に立っているわけです。可能性は無限大ですね。

決して振り返らないという危うさの中に強さを見出したヴィンセントが最後もう一度弟と競って勝利するのもよかったです。映画を数見ているわけではないので、評論家のようにここがこう、ここがこうとは言えませんが、素直におおー勝ったーと感心していました。

ジェロームもジェロームで格好良かったですね。警察が家に来るからと上半身だけで階段をのぼり、そんなことは無かったかのように平然と振舞っているのは凄いです。上半身だけで動くのってかなり辛いですからね。

期待されずに戦い続け、夢を叶えたヴィンセント。期待と責任感につぶれるもヴィンセントの影響を受け希望を持つジェローム。良いコンビでした。

この作品の「未来」って、とても現実味があると思うんです。少し前に子供の遺伝子いじくって云々みたいなこと聞いたなと思ったら結構前でした。2013年には話が持ち上がっていたみたいですね。デザイナーベイビーっていうらしいですよ。

現実味があって、ありえないといえない未来の話。とても面白かったです。是非どうぞ。